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小説『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』発売記念トークショー


2月3日(水)にアニメイト新宿で行われた、小説『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』発売記念トークショーのダイジェスト映像が完成し、角川書店ブックチャンネルにて公開された。このトークショーは、登壇者として著者の朝霧カフカ氏、本作に登場するキャラクターのモデルとなった綾辻行人氏、京極夏彦氏の3名が初めて顔を合わせ作品の裏話を披露するという、記念すべき一夜となった。

2016年1月30日(土)に発売された小説『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』は、コミックス累計220万部突破、今年4月よりTOKYO MXほかにてTVアニメ放送開始予定と人気沸騰中の『文豪ストレイドッグス』シリーズのスピンオフ作品。これまでのシリーズ本編では、中島敦、太宰治など没後長年が経過した文豪をモデルとしたキャラクターたちが異能力バトルを繰り広げてきたが、本作ではシリーズ史上初めて現役の作家である綾辻行人氏、京極夏彦氏、辻村深月氏の3名がキャラクター化されるということで、発売前から注目を集めていた。

トークショー冒頭、熱い視線でステージを見守る100人以上の観客を前に、朝霧氏が緊張した様子で「本作の著者をさせていただきました」と挨拶すると、すかさず綾辻氏と京極氏から「著者が『させていただきました』はないだろう(笑)」と突っ込みが。“殺人探偵”の呼び名を持つ危険な探偵としてキャラクター化された綾辻氏が「(僕は)存命です」、綾辻の宿敵にして“妖術師”の異名をとる怪人としてキャラクター化された京極氏が「没後30年を迎える京極です」と発言すると、会場はどっと沸いた。京極氏が「正確には僕がモデルなのではなく、僕の“イメージ”がモデルなんですからね」と言うと「(その)まんまじゃん」と綾辻氏が突っ込むなど、本作にまつわるトークで和やかにスタートした。

作品の感想を問われた綾辻氏は「プロットの段階からあまり心配していなかった。随所で大変感心した。よくこの設定でこのような物語を作り込んだなあ、と。しかもちゃんとミステリーになっている。いくつもトリックが仕掛けてあって、最後のどんでん返しも素晴らしい。辻村さんの一人称も大変良かった。ちょっとドジッ子で(笑)作中の綾辻が彼女をいじめる様子が大変愉快でした」と絶賛。京極氏も「面白かった。辻村深月というキャラクターがどうやって出てくるのかと思ったら、彼女を出すことによって、作品が作品として成立する方向に持っていくその手つきはなかなか大したもの」と頷いた。

朝霧氏は、「(現役作家として活躍中の)3人に読まれることがものすごくプレッシャーだった」と心中を明かした。実際の作家とキャラクターの距離の取り方について問われ、「キャラクターとして生命を持っているかどうかが一番。元(になった作家のキャラクターやエピソード)がわかるようなクスッとするポイントは用意するが、100倍ぐらいぶっ飛んだキャラクターにと思いきって書いた。でも、京極夏彦のキャラクターは『本人そのままだ』と言われ、大変申し訳ないことを・・・」と発言、京極氏は「ちょ、ちょっと待って、どういうこと」、綾辻氏は再度「京極さんはそのまんま」と返し、会場は大爆笑。

発売後たちまち重版となり、勢いづく本作。朝霧氏が続編の可能性について意欲を見せると、会場からは応援するような拍手が沸き起こった。綾辻氏が「これ、VS.だけど『2人ずっと一緒だよ』みたいな話だよね」と話すと、京極氏は「何か別の読者を獲得しようとしてない?」と、皮肉たっぷりのユーモアで応じた。

トークショー中の綾辻行人氏(左)、京極夏彦氏(右)

<出演者プロフィール>(五十音順、敬称略) 著者:朝霧カフカ(あさぎり・かふか) シナリオライター。『文豪ストレイドッグス』『汐ノ宮綾音は間違えない。』『水瀬陽夢と本当はこわいクトゥルフ神話』(全て角川コミックス・エース)のコミックス原作を手がける。『文豪ストレイドッグス』は自らスピンオフ小説を執筆し、3巻まで刊行されている(角川ビーンズ文庫)。現在「ヤングマガジン サード」にてオリジナルSF小説『ギルドレ』を連載中。

本作に登場するキャラクターのモデルとなった作家:綾辻行人(あやつじ・ゆきと) 京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。1987年、『十角館の殺人』で衝撃的デビューを飾り、いわゆる「新本格ムーブメント」の契機となる。1992年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合したエンタテインメントの傑作として絶賛を浴び、TVアニメーションと実写のW映像化も好評を博した。ほかに『緋色の囁き』『殺人鬼』『霧越邸殺人事件』『眼球綺譚』『フリークス』『深泥丘奇談』『Another エピソードS』など著書多数。6月に『Another エピソードS』の文庫化、“深泥丘シリーズ”の最新刊『深泥丘奇談・続々』を今夏、刊行予定。

本作に登場するキャラクターのモデルとなった作家:京極夏彦(きょうごく・なつひこ) 1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『幽談』『冥談』『眩談』『鬼談』『ルー=ガルー』『南極(人)』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『書楼弔堂 破暁』『豆腐小僧双六道中ふりだし』『遠野物語remix』『遠野物語拾遺retold』ほか多数。

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≪『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』とは?≫

殺人探偵・綾辻行人と妖術師・京極夏彦。最強の頭脳と異能を駆使した死闘が、今、幕を開ける!! そして綾辻の監視役・辻村深月の運命は? 連載時から話題騒然!!『文豪ストレイドッグス』の原作者自らが描く、スタイリッシュ・アクション&ミステリ! 【あらすじ】 綾辻行人は、殺人事件の真相を見抜くと犯人が必ず事故死するという異能「Another」を持ち、“殺人探偵”と呼ばれている。危険異能者を管理する異能特務課の新人エージェントである辻村深月は、綾辻の監視任務につくが、頭脳明晰で口が悪い綾辻に翻弄されてばかりいた。そんなある日、綾辻と辻村は政府の依頼で、ある奇怪な殺人事件にまつわる謎を解決する。だがそれは、綾辻の永遠の宿敵であり、社会の敵(パブリックエネミー)である怪人・京極夏彦との命懸けの闘いの始まりに過ぎなかった――。

★『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』について: http://www.kadokawa.co.jp/sp/bungo/

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