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【レポート】アカデミー賞外国語映画賞最有力「サウルの息子」公開記念イベント

  • chatterboxzine
  • 2016年1月31日
  • 読了時間: 4分

アウシュヴィッツ解放70周年を記念し製作されたハンガリー映画「サウルの息子」が日本でも 1月23日(土)より公開となった。

ホロコーストの現実と、極限状態における人間の尊厳を描き、カンヌ国際映画祭グランプリをはじめ、既に数々の賞を受賞してきた衝撃作。実際に家族が強制収容所で被害にあったハンガリー出身のネメシュ・ラースロー監督が若干38歳にしてアウシュビッツを描く。

ユダヤ人であるネメシュ・ラースロー監督の家族の一部はアウシュビッツで亡くなっており、家族の間でそのことは毎日話題に出ていたという。強制収容所を映画化した理由については 「これまで収容所を描いた映画にいつも失望していたからです。それらの映画はサバイバルやヒーローのストーリーを作ろうとしているのですが、それは過去を神話的概念で再構築することだと私は思うのです」と語っている(映画公式パンフレットより)

国連が制定した「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」である1月27日、新宿シネマカリテで『サウルの息子』公開記念イベントが行われた。71年前のこの日、ホロコースト最大の虐殺の地アウシュビッツが開放された。ニューヨークの国連本部をはじめ、世界各地でホロコーストの歴史を記録し、その教訓を未来へ活かそうという記念式典が開かれている。

ホロコーストを生きのびたハンガリー出身のユダヤ人で日本在住のピアニスト、ヤーノシュ・ツェグレディ氏(78才)が登壇し、ユダヤ人へのレクイエムを演奏した。

登壇者: セルダヘイ・イシュトヴァーン 駐日ハンバリー特命全権大使、ヤーノシュ・ツェグレディ氏(ホロコーストの生還者)、イスラエル大使館 イリット・サヴォン・ヴァイダーゴルン大使

ヤーノシュ氏は、「私がいまここで話せるのは 私がブタペスト生まれでブタペスト育ちだからかもしれません、幸運でした。ブタペストに生まれて生活を営んだユダヤ人は生き残ったのですが、他の地域に住んだユダヤ人はほとんどアウシュビッツに強制送還され、生き残った者はわずかでした。

当時私は7歳か、8歳でしたがアウシュビッツに送還されていたらおそらくその日のうちに殺されていたことでしょう。

ホロコーストデイはユダヤ人だけのメモリアルデイではありません。ユダヤ人を含むローマ人(ジプシー)、障害をもったかたがた、同性愛者、それ以外のナチスが敵対していた人々も虐殺されました。実はユダヤ人だけではなく大勢の人々にとって悲劇的なできごとだったのです。」

ある国、または人に対するこのような虐殺を2度と行わないに強く認識する必要がある、と語った。

ホロコーストの生還者は偏見を恐れて戦後長い間、自分たちが体験したことを口にすることがなかったという。

「サウルの息子」はわずか2日の間に起きた殺戮を体感する映画であり、自分がいかに「何も知らなかった」を考えさせられる。 

【サウルの息子】 1月23日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラスト有楽町ほか全国公開中

監督・脚本:ネメシュ・ラースロー 

共同脚本:クララ・ロワイエ 

主演:ルーリグ・ゲーザ、モルナール・レヴェンテ、ユルス・レチン

2015年/ハンガリー/カラー/ドイツ語・ハンガリー語・イディッシュ語・ポーランド語他

107分

原題:Saul Fia   英題:Son of Saul

後援:ハンガリー大使館、イスラエル大使館   

『サウルの息子』公式HP  http://finefilms.co.jp/saul

★第88回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

★第73回 ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞

※ハンガリーがゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞を獲得したのは初

★第68回 カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞 

<ネメシュ監督、初カンヌにして初グランプリ受賞の快挙>

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー 外国語映画賞受賞

★ロサンゼルス映画批評家連盟賞 外国語映画賞受賞

★ニューヨーク映画批評家協会賞 最優秀ファーストフィルム賞受賞

★ワシントンDC映画批評家協会賞 外国語映画賞受賞

★サンフランシスコ映画批評家協会賞 外国語映画賞受賞

★ニューヨーク・オンライン批評家賞 最優秀外国語映画賞受賞

☆アカデミー賞 外国語映画賞 ハンガリー代表作品 他多数

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