わが青春の「同棲時代」 上村一夫×美女解体新書展 原画等約500点展示
上村一夫・画/久世光彦・原作「蛍子」原画/『週刊女性』1976年9/7号/上村一夫オフィス蔵
1970年代初頭、大ヒット漫画「同棲時代」によって一大センセーションを巻き起こし、時代の寵児となった漫画家・上村一夫(1940~1986)。没後30年を記念した本格的回顧展が2016年1月3日から3月27日まで東京・弥生美術館で開催される。
上村は、アクションが主流だった劇画の世界で、男性の添え物でしかなかった女性を初めて主人公として描いた。「昭和の絵師」「劇画界の竹久夢二」などと形容された上村は、甘美な抒情で彩られた女性の心象風景を得意とした。生々しい女の業を描くことのできた稀代の漫画家・上村一夫は月産400枚以上という驚異的なスピードで数々の傑作を世に送り出し、45歳で急逝。
現在も幅広い年齢層の熱狂的なファンに支持され、欧州を中心とした海外でも高い評価を受けている。本展では、上村の代名詞ともいえる「美女」作品を中心に、徹底した上村美学を、原画や関連資料など初公開を含む500点を展示する。
期間中、上村一夫長女・上村汀さんを始め、スペシャルゲストを迎えたトークショウや音楽イベントを予定しているほか、展覧会に併せて国書刊行会より豪華画集『上村一夫×美女解体新書』(仮称)(144頁/オールカラー/3200円)を刊行予定。
【記念イベント】
トークショウ
事前申込制。有料。内容詳細は美術館HPにて。
■3月5日(土)17:30~ 糸井重里(ほぼ日刊イトイ新聞主宰)×上村汀(上村一夫長女)
■3月12日(土)17:30~
深田太郎(阿久悠長男)×上村汀(上村一夫長女)
■3月20日(日)17:30~
岡崎英生(元劇画原作者)×筧悟(編集プロデューサー)×森田敏也(劇画研究家)×上村汀(上村一夫長女)
音楽イベント
事前申込制。有料。内容詳細は美術館HPにて。
■3月19日(土)18:00~
曽我部恵一ミニライブ
ギャラリートーク
申込不要。無料(要入館料)
ゲスト/上村汀(上村一夫長女)
■1月11日(月祝)14:00~ ★命日です!
■2月14日(日)14:00~
上村一夫・画『同棲時代 第6集』(双葉社)表紙原画/1973年12月/上村一夫オフィス蔵
上村一夫・画「同棲時代」原画/『Weekly漫画アクション』1972年8/31号/上村一夫オフィス蔵
上村一夫・画/「素肌美人」資生堂広告ポスター/1980年/上村一夫オフィス蔵
上村一夫・画「関東平野」扉絵原画/『ヤングコミック』1977年3/23号/上村一夫オフィス蔵
■上村一夫(かみむらかずお)プロフィール
1940(昭和15)年 3月7日、神奈川県横須賀市生まれ。1962(昭和37)年、武蔵野美術大学デザイン科卒業。在学中に広告代理店・宣弘社でアルバイトをし、同社の深田公之(のちの阿久悠)と知り合ったことから、後に劇画の世界に入る。1967(昭和42)年、『月刊タウン』創刊号「カワイコ小百合ちゃんの墜落」でデビュー。翌年、『平凡パンチ』連載の『パラダ』(原作・阿久悠)で本格的に劇画進出。
以後、「同棲時代」、「修羅雪姫」(原作・小池一夫)、「しなの川」(原作・岡崎英生)など抒情的な名作を次々と発表。流麗な筆画から”昭和の絵師”と称され、月産400枚の原稿を手掛ける多忙さを極めた。1985年11月、下咽頭癌で入院し、翌1986(昭和61)年1月11日、急性。享年45。
・主催・会場: 弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3 )
・会期: 2016(平成28)年1月3日(日)〜3月27日(日)
・休館日: 月曜 ※ただし、1月11日・3月21日(月祝)開館、翌1月12日・3月22日(火)休館 ・開催時間: 10:00~17:00 (入館は16:30まで) ・入場料: 一般900円/大・高生800円/中・小生400円 ※併設の竹久夢二美術館「夢二をめぐる人々展」も併せてご覧頂けます。
・HP: http://www.yayoi-yumeji-museum.jp ・出展点数:原画、雑誌など約500点
・特別協力:上村一夫オフィス