漫画家・巻来功士の心ぴく映画コラム-『007スぺクター』
「功士的、心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム番外編第35回」。今回の映画は、待ちに待ったシリーズ最新作『007スぺクター』です。 全シリーズの中で、ショーン・コネリーに匹敵する位、お気に入りのダニエル・クレイグ主演作なので、先行上映1日目に満を持して見てきました。更にタイトルが、あの1作目からのボンドの宿敵・犯罪組織」スぺクター。リアル路線に舵を切り成功したダニエルボンド映画が、いかにして往年の犯罪組織スぺクターの存在理由を、観客に納得させる事ができるのかも興味津々でした。 出だし快調、いつもの暴走ダニエルボンドの面目躍如でとても楽しいアクションの連続。 続いてボンドガール登場、今回は、カンヌでパルムドール受賞の「アデル、ブルーは熱い色」で同性愛者を主演した女優レア・セドゥ、バリバリの演技派を配する所がサム・メンデス監督流か。そして、待ってましたの犯罪組織スぺクターの登場。私は見ている間、幼い頃の007を初めてみた頃の自分に戻っていたのかもしれません。だから、スぺクター登場までの、ある意味、これまでのボンド映画のオマージュみたいな楽しいアクションシーン(リアル感より少し外れてしまった?)も楽しんで見ていられたようです。そして、いよいよ登場するあの御方のシーン。「よっ!メンデス屋」と声を掛けたくなりました。幼い頃の興奮した思い出がフラッシュバックして、とても楽しい気分になりました。まったく刷り込みとは怖いものです(笑)。 しかし、思い入れのない観客はいったいどう感じたのでしょう・・?スぺクターの存在理由など納得もさせられないまま、「皆知ってるから説明は無しね!」みたいな描き方で良かったのでしょうか?(我々往年のファンは当然大丈夫でしたが)確かにダニエルボンド初登場の「007カジノロワイヤル」(出だしからラストまで興奮させられっぱなしのアクション映画の大傑作)には及ばず、本作の監督でもあるサム・メンデス監督作「007スカイフォール」(ラスト、文字通りのスパイ殴り込みシーンのリアルな迫力は絶賛物)よりも残念ながら完成度は落ちます。しかし、次回から始まるであろう007サーガに大期待はもてる展開必至です!そんな、幼い頃からしっかり007の楽しさを刷り込まれた私の、大甘心ぴく度85点作品です。
老若男女、全ての世代にお薦めのスパイ映画の金字塔です(^O^)/
【STORY】 少年時代を過ごした「スカイフォール」で焼け残った写真を受け取ったボンド(ダニエル・クレイグ)。その写真に隠された謎に迫るべく、M(レイフ・ファインズ)の制止を振り切り単独でメキシコ、ローマへと赴く。そこでボンドは悪名高い犯罪者の美しい未亡人ルチア・スキアラ(モニカ・ベルッチ)と出逢い、悪の組織スペクターの存在をつきとめる。その頃、ロンドンでは国家安全保障局の新しいトップ、マックス・デンビ-(アンドリュー・スコット)がボンドの行動に疑問を抱き、Mが率いるMI6の存在意義を問い始めていた。ボンドは秘かにマネーペニー(ナオミ・ハリス)やQ(ベン・ウィショー)の協力を得つつ、スペクター解明の鍵を握る旧敵、Mr.ホワイト(イェスパー・クリステンセン)の娘であるマデレーン・スワン(レア・セドゥ)を追う。死闘を繰り広げながらもスペクターの核心部分へと迫るなか、物語の舞台は氷雪のアルプス、そして灼熱のモロッコへー。ボンドは追い求めてきた敵と自分自身との恐るべき関係を知ることになる――!
監督: サム・メンデス
主題歌: サム・スミス「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」
出演: ダニエル・クレイグ◆ジェームズ・ボンド / クリストフ・ヴァルツ◆フランツ・オーベルハウザー / レイフ・ファインズ◆M / ベン・ウィショー◆Q / ナオミ・ハリス◆マネーペニー / レア・セドゥ◆マドレーヌ・スワン / モニカ・ベルッチ◆ルチア・スキアラ / イェスパー・クリステンセン◆Mr.ホワイト / アンドリュー・スコット◆マックス・デンビ / デイヴ・バウティスタ◆Mr.ヒンクス
12月4日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかにて全国ロードショー!
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