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【レポート】東京国際映画祭 「ちえりとチェリー」、「チェブラーシカ 動物園へ行く」、舞台挨拶

10月24日、東京国際映画祭パノラマ部門にて、パペットアニメーション『ちえりとチェリー』、『チェブラーシカ 動物園へ行く』が上映された。

『ちえりとチェリー』は、幼い頃に父を亡くし母と二人暮らしの小学生ちえりが、父の葬儀の時に蔵で見つけたぬいぐるみのチェリーと空想の中でお話ししながら、心の成長を遂げる物語。

『チェブラーシカ 動物園に行く』は、動物園でワニとして働くゲーナが風邪をひいてしまったため、「僕、ゲーナの代わりにワニのお仕事するよ!」と提案する。

両作の監督を務めた中村誠監督と、『ちえりとチェリー』で主人公ちえり役で声優を務めた高森奈津美さんが舞台挨拶し、インタビューに答えた。

――今回はどのようなきっかけで『ちえりとチェリー』と『チェブラーシカ 動物園へ行く』を製作されましたか?

中村誠監督:『チェブラーシカ』は2010年に三本作ったので、次の監督に製作をバトンタッチするつもりでいたのですが、チェブラーシカが動物園に行くお話をロシアの動物園で思いついて、『霧の中のハリネズミ』等で著名なロシア人作家、ユーリ・ノルシュテインさんにお話ししたら、非常に寡黙なお人柄にも関わらず笑いながら話を聞いてくださって。「これはいける」と確信して作ることにしました。 『ちえり~』に関しては、『チェブラーシカ』ではロシアの観客も意識して作っていたため動きをセーブしたつくりだったのに対して、もっと羽を伸ばして自分なりのものを作ってみようと思いました。

――高森さんは、どういった経緯で出演依頼を受けましたか?

高森奈津美:五年ほど前、『ちえり~』のパイロット版(試作品)にあたる作品でオファーを受けて、「パペットアニメの動きの参考にする」ということで主人公のちえりを含めほとんどの登場人物を演じさせていただいたんです。その後、「もしかしたら高森さんにちえり役をお願いするかもしれない」というお話に発展して、それからさらに二年ほど経ち、『ちえり~』本編に出演することになりました。 なんというか、二年かけて心の準備をさせていただいた、という感じです。

『ちえりとチェリー』は、”いのちの大切さ”と想像力の可能性をテーマに、パペットアニメーションでは難しいとされた演出技法を取り入れた意欲作でもあり、悲哀や優しさの感情表現が豊かに表現され、切なくも愛らしい生命力を宿した作品となった。

また、声優に、星野源、尾野真千子、栗田貫一、田中敦子、伊達みきお(サンドウィッチマン)、富澤たけし(サンドウィッチマン)といった豪華な顔ぶれも揃い、主題歌はsalyuが歌う「青空」(作詞&作曲 桜井和寿、編曲 小林武史)が担当している。

『チェブラーシカ 動物園へ行く』は、ロシアで生まれた名作キャラクターを中村誠監督がオリジナルスト―リーとして作り上げた。

『ちえりとチェリー』&『チェブラーシカ 動物園へ行く』は、”スローシネマ”と呼ばれる、地方の隅々まで時間をかけて作品を公開していくスタイルで上映される予定。本作のテーマである「心の成長と想像力の大切さ」を観客へ届けて行く。

上映予定は、2016年の春、東日本大震災の五年目の節目として、宮城、岩手、福島の三県からスローシネマをスタートさせる。

◆配給 フロンティアワークス&共同組合「ジャパンスローシネマネットワーク(JSN)」:http://www.slow-cinema.com/

​(取材・撮影/hosaka)​

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