目黒雅叙園・百段階段　假屋崎省吾の世界　先行内覧会レポート

目黒雅叙園創業プレ８８周年特別企画　第１６回「華道家　假屋崎省吾の世界」が10月1日から25日まで開催される。華道歴30周年を経て新たな境地を切り開き進化を続けている假屋崎省吾氏。　自身のライフワークとして目黒雅叙園・百段階段で開催する本展は今年で16回目を迎え、毎回６万～７万人が来場する。

展覧会会場となる目黒雅叙園「百段階段」（東京都指定有形文化財）とは

目黒雅叙園に唯一現存する木造建築（昭和10年築）。かつて食事を楽しんだ７部屋を、ケヤキの階段廊下が繋いでいる。当代一流の芸術家による日本画、黒漆に蝶貝をはめ込んだ螺細、組子の建具、銘木など、破格の装飾に埋め尽くされ、日本文化の煌めきを今に伝えている。

今回の展示のテーマは琳派４００年にちなんで『和美共感(わびきょうかん)』。

室町時代から江戸時代まで、それぞれの時代をイメージした琳派様式の作品約８０点を創作。百段階段に連なる豪華絢爛な７部屋に展示する。優美な着物や花器も假屋崎氏がデザインを手がけた。

「漁礁の間」で行われた記者会見で本企画の楽しさと難しさについて假屋崎氏は、「先人のアーティストが命を吹き込んだ場所で負けられないと思う。みんながお花見をしているという楽しいイメージ。花材はトラック４～５台分、日本全国から最高のものを取り寄せている。いかに料理するかが楽しい反面、１年でガラッとイメージを変えなけれなならない。常に新しいものを生み出すのは並大抵のことではなく挑戦の連続」と語った。