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漫画家・巻来功士の心ぴく映画コラムー『ナイトクローラー』


ゴッドサイダー』メタルK』などのヒット作の作者であり、映画好きとしても知られる漫画家・巻来功士が最新の映画を観賞し、心臓がピクピクするほど感動及び興奮した作品”心ぴく映画”を紹介するのが 『功士的、心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム』です。 今回巻来先生にご紹介いただくのは『ナイトクローラー』-

INTRODUCTION L.A.では人々が眠りにつく間、傍受した警察無線からけたたましく音が鳴り響くのをスタート合図に、猛スピードで車を走らせ、いち早く事件・事故現場に駆け付けて被害者にカメラを向ける者たちがいる。通称“ナイトクローラー”。報道スクープ専門の映像パパラッチだ。彼らは、死臭を求めるハイエナの如く貪欲に、刺激的な映像を求めて夜の街を這いまわる。そして、手に入れた映像をテレビ局に売り捌き、カネを得る。本作は、視聴率の為に倫理をも踏み外した映像を欲しがるテレビ業界の裏側と、それを非難しながらも求める現代社会の闇に迫る。主演は、『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞®にノミネートされたジェイク・ギレンホール。我々の隣にもいるごく普通の男に潜む底なしの狂気を恐ろしくも見事に演じきる。監督・脚本は、『ボーン・レガシー』の脚本を手掛けたダン・ギルロイ。本作が初監督作となる。米国レビューサイRotten Tomatoesで驚異の95%を叩き出した、映画史上かつてない“戦慄のハッピーエンド”を体験せよ――。

STORY

学歴もコネもなく、仕事にあぶれたルー(ジェイク・ギレンホール)は、ある日事故現場を通りかかり、テレビ局に悲惨な映像を売って稼ぐ<ナイトクローラー>と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知る。早速ビデオカメラを手に入れたルーは、警察無線を傍受しながら事件や事故の発生を待ち、猛スピードで車を走らせ、現場に駆け付ける。良心の呵責など1秒たりとも感じない彼の過激な映像は高く売れるが、局の要求はさらにエスカレートしていく。そして、遂にルーは一線を越えるー。

ー功士の心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム番外編第19回」今回の映画は、今年期待ナンバーワンだった映画『ナイトクローラー』です。ー

やはり期待に違わぬ、今年確実に5本の指に入る傑作でした。とにかく面白い!いわゆるサイコパス(社会病質者)ものですが、描き方が社会の病を描く事によって、主人公(社会病質者)の行動にある種の爽快感を観客に抱かせ、爽快感を観客に抱かせ、結果的に私達の心の闇をも暴いてしまうという計算され尽くした構造をもった映画です。そんな構造の映画は駄作か傑作しか存在しません、まあまあの映画のほとんどは失敗作だと断言しても良いでしょう。この種の成功作、いや傑作は「羊たちの沈黙」ですが、この「ナイトクローラー」の主人公ルイスもその域まで達していると思います。決断力、行動力、モノの本質を見抜く力、そのどれも抜群なのですが、やはり、レクター博士と同様、人間味が微塵もありません。そんなある意味痛快な怪物を、若手演技派ナンバーワンのジェイク・ギレンホールが見事に演じています。まるでハマり役になってしまいそうな素晴らしさです。

ナイトクローラーというのは、事件映像を金に換える、フリーの報道パパラッチの事、その熾烈な報道合戦の中に、ルイスという怪物をぶち込んだらどうなるか?一瞬のダレ場もありません!人間の小さな欲望さえ弄ぶ怪物の痛快な冒険(?)譚、是非ご覧ください。社会の断面をエンタメというナイフで切り取った、アメリカ映画の真骨頂、社会派娯楽映画の大傑作です。

心ぴく度95点いやそれ以上の超お薦め作です。さあ、また映画館に見に行こうっと(^。^)

ー巻来功士ー

『ナイトクローラー』 監督 ダン・ギルロイ CAST ジェイク・ギレンホール/レネ・ルッソ/リズ・アーメッド/ビル・パクストン STAFF 【撮影監督】ロバート・エルスウィット 【脚本】ダン・ギルロイ 【製作者】ジェニファー・フォックス/トニー・ギルロイ/ジェイク・ギレンホール/デヴィット・ランカスター/マイケル・リトヴァク 【製作総指揮者】ゲイリー・マイケル・ウォルターズ/ベッツィー・ダンバリー 【編集】ジョン・ギルロイ 【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード 上映時間 118分 製作国 アメリカ 配給会社 ギャガ コピーライト © 2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 公式サイト http://nightcrawler.gaga.ne.jp 8月22日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー

【巻来功士】 1958年長崎県佐世保市生まれ。1981年、「少年キング」誌で『ジローハリケーン』でデビュー。 「週刊少年ジャンプ」に発表の舞台を移し、代表作『ゴッドサイダー』を執筆。その後、青年誌を中心に『ザ・グリーンアイズ』『瑠璃子女王の華麗なる日々』『ゴッドサイダーサーガ神魔三国志』など数々の作品を連載。 クラウドファウンディング「FUNDIY」にて『ゴッドサイダー・ニューワールド(新世界)〜 ベルゼバブの憂鬱 〜』の制作 プロジェクトを成功させ現在鋭意執筆中。 TWITTER FACEBOOK

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